朝が弱いのは「体質」じゃない。変えられるリズムだった
「朝が苦手」という言葉には、どこか“仕方ないもの”という諦めが含まれているように思います。でも本当にそうでしょうか?私は、長年「朝が弱いタイプ」だと自認していました。目覚ましを何個鳴らしても布団から出られず、ギリギリに起きて慌ただしく支度をする毎日。寝起きは最悪、午前中は頭がぼんやり。そんな自分に、正直うんざりしていました。
ところがある日、「夜型だからしょうがない」と言い訳していた自分に疑問を持ったんです。もしかして、生活リズムを整えたら変われるのでは?と。試しに、ほんの小さな習慣を見直していった結果、驚くほど朝がラクになり、今では目覚ましが鳴る前に自然と目が覚めることもあります。
大げさかもしれませんが、「朝の状態でその日の質が決まる」とさえ感じています。気持ちよく起きられた日は、仕事も家事もスムーズに進み、心にも余裕が生まれるんです。これは、かつての私には想像できなかったことです。
ここで知っておいてほしいのは、朝が苦手なのは“変えられる習慣”の問題であって、生まれつきの体質だけではないということ。睡眠の質、前日の過ごし方、朝の光の浴び方など、ちょっとしたことで体内リズムは変化します。特に、朝スッキリ起きるコツや自然に目が覚める環境づくりといったニッチなポイントに目を向けることで、驚くほどの変化を感じられるはずです。
私自身の実体験をベースに、これからの章では「無理なく続けられる朝の習慣術」を1つずつ丁寧に紹介していきます。次章では、意外と見落としがちな“夜の過ごし方”が、翌朝の目覚めを大きく左右する理由について掘り下げていきます。
夜の習慣がすべてを決める。朝が変わる「前日の仕込み」

「朝を変えたい」と思ったら、まず最初に見直すべきなのは“夜”です。これは経験からも断言できます。睡眠は、ただ布団に入れば良いというものではなく、入るまでの行動がすでに“眠りの質”を左右しているんです。
かつての私は、寝る直前までスマホを触り、なんとなくYouTubeを見て、気づけば深夜。眠っているはずなのに、翌朝は疲れが抜けていない感覚が続いていました。今思えば、夜に「脳が興奮状態」のまま布団に入っていたのです。
そこで取り入れたのが、“就寝前のクールダウン”です。具体的には、次のようなことを習慣にしました。
- 就寝90分前にはスマホを触らない
- 照明を白色から暖色に切り替える
- お風呂は湯船に浸かり、ぬるめで15分
- 「今日やることは終わった」と声に出して切り替える
これらはどれも特別な道具や知識がなくても、今日から始められるものばかりです。ポイントは「脳と体に、“もう休んでいいんだ”と信号を送ること」。この意識だけでも、自然と眠りが深くなり、朝の目覚めが変わりました。
また、**「翌朝のことを想定して夜を過ごす」**という視点も重要です。たとえば、朝にバタつかないよう服を前日に決めておく、朝食の準備を簡単にしておく…といった“翌朝を助ける夜の仕込み”は、翌朝の余裕を生み出す大きな鍵になります。
夜の過ごし方ひとつで、翌朝の「起きる力」も「心の余裕」もまったく変わってくるのです。朝に強くなるためには、まず夜を味方につけること。これが、私が一番最初に実感した大きな気づきでした。
次章では、「目覚めの瞬間」にフォーカスを当て、スッキリ起きられるための具体的な起床テクニックを解説していきます。目覚ましの使い方や光の取り入れ方など、ちょっとした工夫が鍵になります。
スヌーズに頼らない!スッキリ起きるための目覚め術

「あと5分…」を繰り返して、気づけば30分経過。そんなスヌーズ地獄、経験ありませんか?私も昔は、アラームを何度も止めながら半分寝ぼけたまま布団にくるまっていました。そして起きたときには罪悪感と焦り。これでは一日がうまく回るはずがありません。
ここで大切なのは、“目が覚める環境”を整えることです。いきなり気合いで起きようとしても、脳も体もついてきません。スッキリ起きるためには、「眠気を引きずらない仕組み」を朝のルーティンに組み込むことがカギになります。
スッキリ起きるために効果があった習慣
1. 自然光で目覚める工夫をする
私はカーテンを完全には閉めず、朝日が部屋に入るようにしています。日光は、体内時計(サーカディアンリズム)をリセットしてくれる強力な刺激。目覚ましの音よりも、朝の光のほうが“体の中から起きる感覚”があり、結果的に眠気も残りにくくなりました。
2. アラームは「部屋の離れた場所」に置く
ベッドのそばにスマホを置いていた頃は、無意識のうちに止めてまた寝ていました。今はあえて部屋の反対側に置いて、立ち上がらないと止められないようにしています。これだけで起き上がる確率がぐんと上がりました。
3. 起きたらまずコップ一杯の水を飲む
寝ている間に体は水分を失っており、朝のだるさの一因になっています。冷たすぎない常温の水を飲むことで、内臓が動き出し、眠気もやわらぎます。これを取り入れてからは、頭のスイッチが早く入るようになりました。
4. スヌーズは使わない前提で起きる
「一発で起きる」と決めるだけでも意識が変わります。私は、スヌーズを封印し、1回だけ鳴るアラームに変えました。最初は怖かったですが、「絶対にこの一発で起きる」と覚悟を持つと、意外と人間は起きられるものです。
朝の第一歩をどう踏み出すかで、その後の1時間、1日の流れが大きく変わってきます。自分の“起き方の癖”を知り、それに合った目覚め方を選ぶことが、朝を味方につける最初の一歩になるのです。
次章では、スッキリ起きたあと「エンジンをかける」ための朝のルーティンについてご紹介します。どんな順番で何をすれば、眠気を引きずらずにシャキッと1日を始められるのか?私が実践しているリズムをご紹介します。
朝のルーティンがすべてを変える。たった30分の“整え習慣”

どんなに気持ちよく目覚められても、その後の時間をどう過ごすかで一日の質は大きく変わります。私自身、起きたあと何となくスマホをいじっているうちに出勤時間になり、「何も整わないまま家を出る」という日がよくありました。そういう日は決まって気分も落ち着かず、仕事にも集中できないまま終わるんです。
でも、ある朝、ふと「今日はスマホを開かずに5分間だけストレッチしてみよう」と思い立ち、試してみたんです。すると、体も頭も驚くほどスッキリして、その日は不思議なくらい物事がスムーズに進みました。それをきっかけに、“朝の過ごし方”を意識するようになりました。
私が取り入れて効果を感じた朝の整え習慣
1. ベッドの中で深呼吸&ゆっくり伸びる
これ、見た目以上に効果あります。眠っていた体に酸素を送り込みながら、筋肉を少しずつ目覚めさせる感覚。いきなり起き上がるよりも、体が自然と“起きるモード”に切り替わります。
2. 太陽光を浴びる“儀式”を作る
カーテンを開けて光を浴びる。これだけですが、朝のリズムが一気に整う実感があります。私の場合、この時間に小さく「今日も大丈夫」と心の中でつぶやくようにしていて、それがちょっとしたおまじないのようになっています。
3. 白湯を飲んで、内側から体を目覚めさせる
冷たい水よりも、ほんのり温かい白湯が私には合っていました。特に胃腸が弱い人にはおすすめです。眠っていた内臓がゆっくり動き出し、気持ちも穏やかに整います。
4. 気分の上がる“ご褒美タイム”を取り入れる
朝が苦手な私には、「楽しみ」があることが重要でした。好きな音楽を流しながらコーヒーを淹れるだけで、自然と顔がほころびます。義務感じゃなく、“好きだからやる”というスタートにすると、その日1日のテンポも良くなると感じています。
朝のルーティンというと、「ちゃんとやらなきゃ」と構えてしまいがちですが、私は“整える時間”くらいの気持ちで続けています。完璧じゃなくていい。少しだけ気分よくなる時間を作る、それだけで朝の印象はガラリと変わります。
そして何より大事なのは、「自分なりのパターン」を持つことです。どれだけシンプルでも、自分に合った流れがあれば、体も自然とそのリズムに順応していきます。
次章では、「せっかく作った朝習慣をどう続けるか」にフォーカスを移します。三日坊主だった私が、習慣を続けられるようになった理由や、挫折しそうになったときの乗り越え方を具体的にお伝えします。
三日坊主を卒業するために。習慣を“無理なく続ける”ためのコツ

「明日から早起きしよう」「朝のルーティンを毎日やってみよう」と思っても、3日もしないうちに気持ちがゆるんでしまう。私も何度も失敗してきました。意気込んで始めたものの、仕事が忙しかったり、寝不足の日が続いたりすると、どうしても“続けること”自体がプレッシャーになるんですよね。
でも、あるときふと気づいたんです。習慣が続かない理由は「意志が弱いから」じゃなくて、「やり方が合っていないだけ」だと。
続けられなかった私が意識した3つのこと
1. “完璧”を目指さない。60点でOKにする
これが私にとって最も効果的でした。たとえば、朝のストレッチが面倒な日は、深呼吸だけで済ませてもOKと割り切る。コーヒーを飲む時間がなければ、白湯を一口でも飲めたら合格。毎日100点じゃなくても、60点を積み重ねることで“やめない自分”を保てるようになりました。
2. 目に見える“変化”を小さく記録する
変化はすぐに出るものではありませんが、「今日は起きてからスマホを見なかった」「昨日より5分早く起きられた」といった小さな成果をメモするようにしています。振り返ったとき、「意外と頑張ってるな」と自分を認める材料になるんです。
3. なぜその習慣を始めたのか“理由”を可視化する
「なぜ朝を変えたいのか?」を忘れると、モチベーションは簡単に途切れます。私は手帳に「朝の時間を自分のために使いたい」「バタバタせずに1日を始めたい」と書いて貼り、定期的に見返すようにしています。初心に戻れるこの仕掛けが、思った以上に効きます。
人は「自分には続ける力がない」と思い込んでしまうと、すぐにやめる理由を探してしまいます。でも本当は、**習慣が続くかどうかは“工夫次第”**なんです。自分にとってムリのないペースを見つけ、ハードルを低く設計すれば、継続はそれほど難しいことではありません。
習慣は“量より質”ではなく、“完璧さより反復”です。毎日少しずつ、淡々と続けていくことで、やがてそれは“自分の一部”になっていきます。
次章はいよいよ最終章。この記事を通して私自身が感じたこと、そして「朝が苦手」と感じるあなたに本当に伝えたいメッセージをお届けします。
朝が変われば、自分が変わる。私がこの習慣で得たもの

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
この記事で紹介してきた内容は、すべて私自身が実践し、試行錯誤の中で見つけてきた“リアルな朝の習慣術”です。決して特別な才能や強い意志があったわけではありません。むしろ私は、誰よりも朝が苦手で、起きるたびに自己嫌悪に陥っていた人間でした。
でも、あるとき気づいたんです。
「朝を丁寧に整えることは、結局、自分自身を大切にすることなんだ」と。
私が“朝を変えたい”と思ったきっかけは、「自分に余裕を持ちたかったから」です。誰かに褒められるためでも、理想の自分を演じるためでもなく、ただ、1日の始まりを“気持ちよく迎えたい”という、ささやかな願いでした。
最初はうまくいかない日もありました。でも、無理せず少しずつ続けていくうちに、朝が怖くなくなりました。
起きることが苦じゃなくなると、不思議と日中の自分も変わっていくんです。仕事の集中力、気持ちの安定、人との関わり方。どれも目に見えて良くなりました。
「朝の過ごし方が変わるだけで、こんなにも自分が変わるなんて」
これは、体験した人にしかわからないかもしれません。でもだからこそ、あなたにも伝えたいのです。
朝が苦手な人こそ、自分に合った方法を見つければ必ず変われます。
高い目標も、完璧な習慣も必要ありません。まずは“ちょっと気持ちよく起きる”ことを目指してみてください。その積み重ねが、きっとあなた自身を変える大きな力になるはずです。
この記事が、誰かの「変わりたい」という気持ちの背中をそっと押せるものであったなら、筆者としてこれほど嬉しいことはありません。
今日も、明日も、自分のペースで。
あなただけの朝を、ぜひ見つけてください。